近年,局所的な都市型集中豪雨,気象変動による台風の大型化,長期間に及ぶ降雨によって河川堤防が決壊し,都市部に甚大な災害を引き起こす事例が相次いでいます.
2012年に九州北部豪雨,2015年に関東・東北豪雨,2018年には西日本豪雨などが生じ,大きな被害をもたらしました.
「溢れさせない治水」から「計画的に溢れさせる流域治水」へと災害対策の転換が進められている中,本研究では,河川堤防の決壊現象の解明と対策法の提案,そして「粘り強い堤防」の実現を目指しています.
現象を「見る」現地調査では,
貫入試験やトレンチ掘削,ドローン測量等を実施しています.
現象を「知る」模型実験では,
多様な地盤特性や水位条件を想定・設定し,実施しています.
現象を「解る」数値解析では,
現象を再現し,地盤内部の詳細な挙動の解明に努めています.
この3つの軸から河川堤防に関する課題に対してアプローチしています.